BA時代のお客さんの思い出(その②)

25年以上前、新卒入社した会社でBAとしてデパートで働いていた時のこと。

お客さんで、台湾国籍の方がいました。水商売の出稼ぎで日本に来ていた方です。

 

今よりビザが取得しやすかったこともあり、あの頃フィリピンや台湾などアジア各国から出稼ぎに来ていた女性がとても多かったと思います。ジャパゆきさんという言葉が、その当時より少し前に誕生していました。(あまり良い言葉ではないからか、今は使われていませんね。)

 

彼女が来店するのはいつも出勤前の夕方近い時間で、1人で来ることもあれば、同伴のオジ様と来ることもありました。

綺麗でスタイルも良く、上品な雰囲気の女性。度々訪れては化粧品を購入して行かれました。

 

しばらくすると売り場に異変が起きました。

彼女が帰ってから数日経つと、彼女が購入したものと同じ商品を買いに来るお客さんが現れるのです。同じく台湾出身の若い女性たち。

そして、

『オネエさんと、イッショのクタザイ』

と、皆決まったかのように片言で同じセリフを言うのでした。

複数人で来店することが多かったのですが、前述の彼女が購入した品と全く同じもの(色番まで一緒)を買っていきます。

同じ色の在庫を切らしていた場合、似たような別の色を勧めても絶対に買っていきません。

お姐さんと一緒、じゃなければダメなのです。

 

それからは彼女が購入したあとは、すぐ発注を掛け、多めの在庫を心がけました。

 

彼女がお店や寮などで皆に化粧品を勧めていたのか、それとも憧れのお姐さんだから、こぞって真似をしていたのか?

理由は分かりません。

当時はインターネットもスマホもありませんでしたから、これぞ本当の『口コミ』だったのでは、と思います。

(今だったら、インフルエンサーになれたかも知れませんね。)

 

しかし、約一年程経った頃、彼女は国に帰ってしまいました。

私が働いていたメーカーの商品をとても気に入って色々を購入して下さったのと、たくさん紹介(?)してくれたこともあり、帰国前に売り場に来てくれた時に(何だったかは忘れてしまいましたが)日本の思い出に残るような品を売り場の皆でプレゼントした記憶があります。

お客さんとしてのお付き合いは短い方でしたが、とても記憶に残っています。

 

ちなみに彼女が帰国した後は、残念ながら他のホステスさんも一切来なくなってしまいました。

慣れない日本で、夜のお仕事。嫌なこともあったと思いますが、新しい化粧品を買うことで頑張れたこともあったのかな、そんなお手伝いが出来ていたのだったらいいけど。

元気にしていると、いいですね。

 

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頂き物の可愛いお菓子。

チューリップローズというとても春らしいお菓子です。

TOKYOチューリップローズ

外側の花びら部分はラングドシャ風のサクサクサブレ。

内側はチーズ風味の柔らかなクリーム。とても美味しかったです。

チーズクリーム味は6月までの限定品のようです。

他のお味も食べてみたいです。

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