陸の孤島

利用している近所のクリーニング屋さんがあります。他にもいくつか近くにクリーニング屋さんはありますが、引っ越しして来た時にたまたまそのお店へ入ってから、ずっと利用しています。

70代だったご夫婦も、今は80代です。個人経営のお店なのでチェーン店より基本料金はやや高めですが、汗抜きやシミ取りなどの追加料金は一切ありませんし、困った時などに早く仕上げて頂いたり融通が利くので大変ありがたいです。夏の時期のスーツなどは、こちらからお願いしなくても最初に水洗いしてからドライクリーニングをしてくれます。追加料金が無いので、結局他のお店とあまり値段は変わらないかも知れません。店主のおじさんは「うちは、油に妥協してないからね。安いお店は油も安いの使ってるんだよ」と教えてくれました。

最近はコロナでのリモートワークの影響もあり、随分お客さんも減ってしまったようです。年齢的にもいつお店を畳もうかと考えてしまうそうですが、数十年の付き合いのお客さんから店を辞めないで欲しいと言われていて、踏ん切りが付かないそうです。

ご夫婦共に東京出身ではありませんが、この土地に住んで50年近く経ち、クリーニング屋も40年以上続けられていますので、私が知らないこの辺のことや昔のことなども、色々教えてもらってためになります。

お店自体は借地権の土地の上に建っていますが他にもご自身の物件を持っているので、仮にお店を辞めしまっても困ることはないのかな、と感じ取れます。不動産関連の話にも詳しく、借地権というものがある事もこのご夫婦に聞いて初めて知りました。(建物の権利は自分にあるが土地の権利は土地の所有者にあり、地主さんに対して地代を払い続けなければならないそうです)地主さんに土地を売って欲しいと何度かお願いしたそうですが、絶対に売ってくれないそうです。不動産のことはよくわかりませんが、売るより貸しておく方がメリットがあるのでしょうね。

先日もクリーニングを取りに行った際におじさんと世間話をしていると土地などの話になり、実は数十年前(詳しい年月は不明)、東京で家や土地を買うなら郊外が1番狙い目で、郊外を買っておけばこの先資産価値が上がると言われていて、逆に「麻布十番」から今の六本木ヒルズがある付近は当時駅が近くになかったこともあり『陸の孤島』だから絶対に購入してはいけない場所と言われていたようです。

しかしそれから月日は経ち、麻布十番にも駅ができ、また六本木ヒルズ付近は再開発で発展し不動産価格は爆上がりしたようで、あの時買っていれば良かったなぁ〜と話されていました。

郊外についてはバブル期後は都心回帰現象となり、こちらも世間の予想とは逆の現象が起こってしまいました。そんな話を聞いていると、私が80代になる頃はどんな世の中になっているのか、全く想像も付きませんね。

今日のお弁当です💛