イタリアンレストランでのバイトの話(その①)

学生時代にイタリアンンレストランでバイトをしていました。

バイトをするまで知らなかったことですが、イタリア料理のレストランと言っても、営業形態の違いでいくつか種類があります。

リストランテ(高級店)②トラットリア(リストランテよりカジュアルな店)③タベルナ(食堂みたいなイメージ)④エノテカ(ワインやおつまみ中心)⑤ピッツエリア(ピザ専門店)⑥オステリア(主に家庭的な料理を出すレストラン)

簡単な説明となりましたが、これ以外にもあると思います。(あまり詳しくないので、内容が少し違っていたらすみません...)

この中で私がバイトしていたお店は《タベルナ》で、店内もカジュアルで可愛いインテリア、昼も夜も営業していますが、特にリーズナブルなランチが人気のお店でした。

お客として訪れたこともなかったこのお店で働いたきっかけは、アルバイト情報誌でたまたま目に入って時間や曜日が自分に合っていたからだったと思います。

 

*******今ではアルバイト先はネットで探すのが当たり前ですが、当時は週に1度発行されるアルバイト情報誌だけが頼りでした。コンビニなどに無料で置かれるため、発行日は早めに取りに行って、新着の情報を探していた方は多いのではないでしょうか*******

 

初めての飲食店のアルバイト。

ホールの仕事はてっきり注文を聞き料理を運ぶだけだと思っていたのですが、実際働いてみると開店前からの準備も色々あり、想像していたよりとても激務で体力的にもきつい仕事でした。

 

ランチもディナーもどちらも入れると申告したため、日によってランチに出たり、ディナーに出たりしていたのですが、とても人が少ない日やパーティなどが入っていると、ランチからディナーまで働いたこともあります。

 

ランチの場合、開始の2時間前に出勤し、準備が始まります。メンバーは、店長、調理補助1名、ホール1名〜2名。通常最大でもたったの4名で回していました。

 

1・まず最初はトイレ掃除。店長曰く『トイレが汚い飲食店にまともな店はない』で、便器周りまで隅々清掃させられました。

2・前夜の閉店後に干したダスターやランチョンマットの片付けと、床やテーブルの掃除。

3・バターをホイップして小さなケースに詰めて冷やす仕事。(このお店ではパンに塗るバターをホイップして冷やしてから提供していました。)

4・テーブルに置く角砂糖の補充、タバスコの量などのチェック。

不揃いなブラウンとホワイトの角砂糖を半々ずつ入れ物に入れて提供していたため、白と茶色がバランス良く収まるよう、日々補充が必要でした。(調べたら現在も売っている商品でした。食べたことはありませんが、この角砂糖、とても美味しいらしいです。↓)

www.kaldi.co.jp

 

5・デザートのホイップを泡立てて、ようやく準備終了。

この間調理補助の人は別の仕事(サラダ、パスタの具の下準備など)なので、ここまでの仕事をホール担当の1〜2名で終わらせなければなりません。

 

ランチは、パン、サラダ、パスタ、コーヒー、デザートで1100円でしたので(30年近く前の話で、現在はたしか1450円です)とても人気があり、日々お客様が開店前から並んでいました。

(しかし行列を見てしまうと、ここからの忙しさが垣間見えてしまい心に余裕が無くなるため、なるべく見ないように準備をしていました。)

 

いざ開店。お客様の案内が始まります。基本的には奥から詰めていくのですが、3名、2名、はもちろん、1名でくる方もいれば、時には多めの5〜6名など、当たり前ですがバラバラの人数でお客さんが入ってきます。また、店内には4人掛け以外にも正方形の10〜12名が座れる相席タイプのテーブルもあり、頭の中で短時間のうちにパズルのように考えて席を決め、どんどん案内していかなければなりません。

 

その後は、厨房から出されるサラダ、パン、パスタを次々に運ぶだけでなく、食べ終わるタイミングを見計らって飲み物とデザートを出して良いか聞くことも必要です。

ランチの飲み物の準備はホールの仕事になるので、コーヒーや紅茶を淹れてスプーンやカップの向きを整えて運ぶのですが、こぼさないよう気を付けなければなりません。

複数名で来ているお客さんが、コーヒー、アイスコーヒー、紅茶、アイスティーと、皆バラバラに注文されると、心の中で『頼む、今度からは同じ飲み物にしてくれ〜〜〜』などと思ってしまっていました。今思うと最低ですが...

 

飲み物を用意して、デザートの準備をしていても、容赦なく時間差で入店した別のお客さんのパスタが出てきます。

ホール2名の日は良いのですが、1名の時はもう常に頭の中はパニック状態です。

ちなみに洗い物は調理補助の担当でしたが、ホールが2名の時は洗い物やパンの温めなど、隙間時間に出来ることは手伝う事になっていました。

調理補助の彼は常に1人なので、とても大変そうでした。

 

そして仕事内容以上に困ったこと、それは《店長が怖い!!》でした。

面接の時はニコニコして優しいオジ様風だった店長。しかし実際働いてランチタイムが始まると豹変しました。

出来上がった料理を取りに行くタイミングが少しでも遅れると、

『早く取りに来いよ、何やってんだよ!パスタが冷めるだろ!!!』

洗い物が溜まれば...

『まだやらないのかよ、これじゃ料理できねーだろ!!』

『バカヤロー』『早くしろよ』『おせーんだよ』等々、スタッフの動きが少しでも遅いと罵声を浴びせてきます。

まさかこんなに怖い人だったとは。。。

バイトを始めたことを後悔したのでした。

今考えてもよくやっていたなと思います。

ランチが2時で終了すると、今日も無事に終えられた安心感でいっぱいになります。

そして店長がまかないでパスタを作ってくれます。店長も含め皆で一緒のテーブルでいただくのですが、この時点では優しいオジ様の店長に戻っており、たわいもない会話をして終了となります。

まかない、美味しかったな〜〜。

 

だらだらと長くなってしまいました。ディナータイムの話や他の思い出話はまた、書きます。

本日の弁当《シャケ弁当》です。(真ん中の2つは自然解凍OKの冷凍食品です)