先週、ようやくお雛様を片付けました。
私のお雛様2つと、娘のお雛様2つ。
出すのもしまうのも結構大変ですから、
私の中で『ひな祭り』は、一年の中でもある意味大きなイベントになっています。
娘のお雛様が2つある理由ですが…。
雛人形は通常母側の実家が用意する慣習ですが、娘が生まれた時はすでに私の両親は他界しており、初節句に合わせて自分達で購入することになりました。(主人の実家でも少し援助してくれました。)
当時名古屋に住んでいたのですが、住んでいた名東区やお隣の守山区でいくつかのお店を見て、お雛様を決めました。
代金も支払いあとはお雛様の到着を待つばかりという頃、遠方に住んでいる私の祖母から急に電話が。
『お雛様、頼んで送ったからね。あんたにはもう親がいないから、私が代わりに買っておいたんだよ』と。。。
とても嬉しい話なのですが、おばあちゃん、もう少し早く教えて欲しかった。
しかし祖母の優しい気持ちを考えると、自分たちで購入済みのことも言えません。
すぐに雛人形を購入したお店へ連絡したのですが、支払い済みなのでもうキャンセルはできません、と言われてしまいました。
『縁起物なのでね〜。買ってからやはり要らない、なんて聞いたこともありせんよ』
確かにこちらの都合ですし、せっかくの初節句に無理矢理ごねて返品するのも良くないかと...。
そんないきさつから、
色々なお店を見て回って娘のために選んだ雛人形。
年金生活の祖母が私や娘のことを思って贈ってくれたお雛様。
どちらも迎えることになったのでした。
続いて私のお雛様2つについてです。
実は、2つある理由は聞いていないので、わかりません。
七段飾りのもの(母方の祖母から)と、木目込み人形(父方の祖母から)がありました。
結婚する時に、2つのお雛様をどうするかについてとても悩みました。
お雛様は子どもの健やかな成長を願うものですが、いくつになっても、また結婚してからでも、長年飾り続けていることに問題はないそうです。
木目込み人形の方は小さいので、引っ越しも大丈夫そう。
問題は七段飾りのほうです。
子供の頃から毎年飾っていたお雛様を手放すのはなんだか寂しい。だけど、さすがに七段は飾る場所も、それに見合った収納場所もありません。
色々考えた結果、お雛様とお内裏様だけを残し、ひな壇と他のお人形は人形供養祭で供養することに決めました。
お人形、親王台、屏風の3つの箱だけになり、現在も持ち続けています。
今年も無事に出すことが出来た、半世紀前からずっと一緒の雛人形です。
飾りが取れてしまった箇所もありますが、今も綺麗なお顔をしています。
(左が七段飾りだった方、右が木目込み人形です)


最後に片付けにまつわる思い出話を。
私の母は毎年お雛様をしまう時に、お雛様への感謝の気持ち、その年に自分に起きた出来事や気持ちなどを便箋に書き留めて、一緒に人形箱に入れていました。
お雛様宛のような、来年の自分宛のような?手紙みたいなものです。
そして翌年、それはどこかの箱から出てきます。
一年前そういえばこんなことがあったね、なんて話しながら飾ります。
そして片付ける時には、また新しい手紙を入れるのでした。
母が亡くなった翌年の2月、私は1人でお雛様を出すことになりました。
母が生きていた一年前の便箋には、一体どんなことが書いてあるのだろうか、とても気になりました。
しかしどんなに探しても、一年前に母が書いたはずの最後の手紙は、どの箱にも入っていなかったのです。
たまたまその年だけ書かなかったのかも知れない、でも書いていたところを見た記憶もある。
今でもずっと心の片隅で引っ掛かっています。あるはずないけど、やっぱりどこかにあるんじゃないかって。
そして私も母の習慣を引き継いで、同じようなものを書いて一緒にしまうことにしました。
紙だとなくなっちゃうから、ノートにしたためています。
お雛様お内裏様。
一年間見守っていてくれたことにいつも感謝しています。そしてまた来年会いましょう。